人材育成

vol3 「サンロク...

vol3 「サンロクIT女子」が新しい世界に飛び込み、活躍するまでの体験談を大公開!

2023年の「サンロクIT女子育成プロジェクト」に参加し、育成講座を経て仕事を受注しているという星川さん。現在は酒田市内企業のコーポレートサイト制作を受注し、打ち合わせを重ねているのだそうです。仕事ではパソコンを使用していたものの「ITのことなんて全くわからなかった」と以前の自分をそう振り返ります。「私には絶対に無理」と思っていた彼女が一歩踏み出せた理由とは―――。未知の世界へ踏み出す Curiosity—好奇心「IT女子について知ったのは、たまたま目にした新聞の記事でした。2023年の3月に仕事を辞めたのですが、その直前の1月頃のことです。おもしろそうだなと思って募集が始まるのを待っていました。HPを何度も見ては、まだかまだかってやきもきしながら。痺れを切らしてサンロクに問い合わせたりして。」新聞の記事を見てから数カ月、ずっと気になっていたといいます。パソコンは得意でも嫌いでもない、と仕事で使う程度。ITについては言葉だけ、と言う彼女がそんなにも興味を惹かれた理由を聞いてみました。「仕事を辞めたらとりあえず1年くらいは今後のことをゆっくり考えたかったんです。ITは在宅で仕事をするイメージを持っていたので、自分のペースでやれたらいいなって。」結婚以来、仕事に子育てに、と時間に追われながら過ごし、そろそろワークライフバランスを見直したいと考えるタイミングでした。ソーイングとピアノが趣味という星川さん。落ち着いた口調で言葉を選びながら答える様子から、丁寧な暮らしに憧れがあったというのも頷けます。自宅ではリラックスした環境で仕事をすることができます育成講座をはじめとする対面の学習では、ITについての漠然とした知識を深めることができ、学生時代のようなワイワイとした雰囲気が楽しかったのだそう。共通の目的を持つ仲間意識や、課題や情報を共有する新たなコミュニティに触発され、まだ何もできていないのに別の世界に踏み出したような高揚感を感じました。勇気の決断 原動力は向上心 Courage—勇気「だけど、仕事を受けるのはハードルが高くて。募集があっても無理だよな、やってみたい気もするけど無理かもって何回か見送って。」そんな折、講演会の文字起こしの仕事が舞い込みました。事務での経験が活かせるかもしれないと試しに応募したところ見事採用。実際にやってみると予想以上に難しく、担当外の部分も確認しながら作業を進めたため時間もかかりましたが、なんとかやり遂げることができました。ここで得た自信がターニングポイントだったと後に回想します。その後はランディングページ(LP)のデザイン担当に立候補。この仕事では、LP制作未経験である複数人のIT女子と、制作のサポートをするプロが一緒に取り組みました。「デザイン経験はありませんでしたが、みんなと一緒だったらできそうだと思って挑戦しました。」この頃から、本格的に仕事を受けるためにグラフィックデザインツールを契約するなど自身のパソコン環境を整え始めました。良い仕事をするための必要経費と捉えて投資した分頑張ろうとモチベーションも一層上がるのだそうです。「制作実習の時も周りに全然ついていけなかった。やっとできたと思ったらもう先に進んでいて…。もうなりふり構わず、先生が近くに来たら離さない、すみません!教えてくださいって(笑)」以前の自分なら、仕方がないと諦めていただろうと、自分自身の変化に驚いている様子。もともと粘り強いタイプ、とはいえ、いったい何が彼女を駆り立てたのでしょうか。「試しに一歩踏み出してみたら次の一歩も踏み出せちゃった」と振り返る星川さん切り開く私の道 Confidence—自信「やっぱりおもしろかったんですよね。どれも難しいですけど夢中になってのめり込む時間はワクワクするような、自分がアップデートされていく新鮮な喜びがありました。」この一年で自分が大きく変わったことを実感する、という星川さん。プラスになる可能性があるのに諦めていたらもったいない、とチャレンジする度に経験が自信となって連鎖したことでそう感じるのかもしれません。「次の仕事はウェブサイト制作なんですよ!まさか私がね…」心底信じられないというように、自身の内面にも大きな変革をもたらした一年を思い起こします。1つ目の仕事に手を挙げる時が、一番勇気の必要な場面でした。やってみたらできた、という小さな自信の蓄積は、新たな可能性を探求する好奇心をくすぐり、未知の領域に踏み込む後押しとなりました。「絶対できるわけがないって思っていたことも、今はもしかしたらできるんじゃないかなっていう気がするんです。」「これまでの私」から抜け出し、ひたむきな努力によって選んだ道を正解にしていく。その芽生えた自信が力になり、新しい舞台への大きな一歩を踏み出していくことでしょう。
2024年6月20日
vol2 「サンロク...

vol2 「サンロクIT女子育成プロジェクト」の未来を支える現場からレポート

サンロクIT女子育成プロジェクトは発足から5年目に突入。当初から「IT技術を身につけ仕事の選択肢を広げる」をテーマに活動してきましたが、2023年度はアデコ(株)との協業によりさらに強化されました。人材育成に高い実績を持つ企業との連携による効果とは―――。プロジェクトを牽引する、コンシェルジュの佐藤香奈子さんとマネージャーの栗田奈美さんにお話を伺いました。未経験からの一歩をサポートサンロクIT女子(以下、IT女子)の特徴は大きく分けて3つあります。1つ目は、雇用ではなく業務委託形態をとっている点です。時間的な制約や自身の条件に合った仕事を受注できるため、ライフイベントに合わせたキャリアを築きたい方に適しています。2つ目は、ITスキルを学ぶ独自の育成講座を受講して仕事に繋げている点です。この育成講座は、基本的なITリテラシーを学びデジタル時代に必要な能力を身につけ、受注する仕事の幅を広げることが目的です。「育成後は、仕事にチャレンジできるよう後押ししたり、不安や悩みを聞いたり…。IT女子の皆さんの気持ちに寄り添う細かなケアを心掛けています」と話すのはマネージャーの栗田さん。プロジェクトの運営から仕事の斡旋、さらにはお悩み相談と、最もIT女子と密接に関わる存在です。3つ目は、キャリアカウンセリングです。「自分の気持ちを見える化する機会になりますよね」そう話すのは、産業カウンセラーの資格を持つ佐藤さん。対話を通じて個人の価値観や個性を引き出し、自分自身と向き合うことにより内面の整理をサポートする役割を担います。経営者としての視点からプロジェクト全体の構築や営業を担当する一方で、個々の可能性を広げる多様性を尊重した組織作りを目指しています。「人を巻き込んで“好き”を仕事にしていきたい」と語る佐藤香奈子さん長いトンネルの先 ようやく見えてきた進む未来「それまでは営業から納品、という流れをつくるのに必死で…。私たちだけではその先の展望を具体的にイメージすることが難しかった」と佐藤さんは振り返ります。そんな状況を変えるため、2023年よりアデコ(株)(以下、アデコ)との協業による「教育支援プログラム」を実施しました。このプログラムは、Webサイト制作の講習やOJTにより実践力の高いスキルを身につけることを目的としたものです。「より実務に沿った育成のプロセスを踏むことで、ぼんやりと描いていたIT女子の進む道が明確にイメージできるようになった」といいます。こうして、育成と実務の組み合わせによる盤石なサポート体制で経験が浅くても仕事に取り組みやすい環境が整備されました。教育体制の強化に伴いプロジェクトの注目度はさらに高まりをみせ、所属するIT女子の人数は100名を越えました。アデコからは難易度の異なる様々な案件の紹介と手厚いフォローが提供され、仕事を受注する女子は一気に増加。2023年度末には、プログラムを終えた約60名がSNS代行やWebサイト制作などの仕事を受注する結果となりました。稼働するIT女子が増える一方で、新たな課題も見つかりました。業務の一部を切り出して委託する形態をとっていたため、徐々に需要と供給のバランスが崩れてきたのです。また、企業が求める条件と所属する女子の稼働時間が合わないことも発足当初からの課題でした。不足を埋め合うチームの力この二つの課題を解決する方法として、現在推し進めているのが業務単位での仕事の受注です。業務プロセスの企画から施行までを一括して請け負うことで、これまでより受注する業務範囲が広がります。仕事を発注する企業にとっても、人材不足を補うアウトソーシングは今後ますます注目される戦略的選択肢となるでしょう。それぞれ異なるスキルを持つIT女子が業務ごとにチームを組むことで、経験の違いや時短のニーズを互いに補い合うことができます。教え合い、協力し合って物事を成し遂げることが自然と増えていきました。また、規模の大きな案件に臨む際の体制作りに不可欠なのがまとめ役の存在です。下半期には業務の進行管理と調整役となるプロジェクトマネージャーを育成するプログラムが同時進行しはじめました。知識としてのマネジメント学習とコーチングによる自己理解で内面の成長にも働きかけ、社会人基礎力の高い人材の育成を実践しています。「自信を持って仕事を得る、それが私たちの目指す未来です」と自身も元サンロクIT女子である現マネージャーの栗田奈美さんライフステージの変化などその時々でライフスタイルに合わせた働き方が選択できることは、人生の充実を図る上で重要な要素ではないでしょうか。「学ぶ意欲の高い方が多いと感じますね」IT女子の多くは30~40代の子育て世代。仕事とプライベートの両方が大切でどちらも優先したいという願いからか、主体性を持った方が多いと感じる、とふたりが口を揃えます。また、Uターンや県外出身者の割合も高く、だからこそ地域に潜む課題に気付き、地域全体の発展に貢献したいという声が上がることに驚くこともあるのだそう。将来的には培ったスキルを地域に還元する取り組みも視野に入れています。「今まで通りじゃだめなんですよね。これまでにない形を生み出そうとしているので。」「そこが難しいんですよ」と時折苦労をにじませながらも、楽しそうに語るおふたり。「躍動するIT女子のパワーにたくさんの刺激をもらうのだ」といいます。その目線の先には何が見えているのでしょうか。「来年度はさらにプロジェクトの推進を目指しています。そのための理念を定めるのも課題の一つ。」先行き不透明な時代に対応するしなやかな柔軟性を携え、常にアップデートを試みる姿勢からは熱意と覚悟がうかがえます。目指す場所が定まれば前に進む力はさらに加速することでしょう。多様なIT女子の力を掛け算によって最大限に引き出す体制を構築し、これからも酒田から新たな価値の創出を目指していきます。
2024年5月15日
酒田市と「サンロクI...

酒田市と「サンロクIT女子育成プロジェクト」で女性の稼ぐ力を全面サポート!

はじめに生産年齢人口の減少が大きな地域課題となっている酒田市。2021年に人口10万人を切り、特に若年層の女性の流出が目立っています。その理由に、地方都市特有の課題の一つとして「仕事の選択肢が少ないこと」が挙げられます。この地に住み続けながら「やりがい」を持って働ける機会があったなら、時間や場所にとらわれず、自分のライフスタイルに合った働き方が実現できたなら、それがこの地の人材不足の解消や市内事業者の生産性向上に結びついたなら。そんな想いを形にするために、酒田市では、2018年に発足した酒田市産業振興まちづくりセンターサンロクの取り組みとして「サンロクIT女子育成プロジェクト」に着手します。酒田市の想いに共感したアデコ(株)は、「教育支援プログラム」を提供し、サンロクIT女子の育成を一緒に進めています。また、育成だけでなく実際の仕事も提供し、「稼ぐ」ことが可能になっているところがこのプロジェクトの特徴です。酒田市発「サンロクIT女子」で “日本一女性が働きやすいまち”を目指すインタビュー:酒田市 市長 矢口明子さん日本一を目指す宣言の背景には女性が活躍できる職場環境を整えることを推進していくための法律「女性活躍推進法」が2015年に成立しました。その翌年、酒田市副市長に矢口さん(現市長)が就任し、女性活躍推進事業に着手します。2017年、「日本一女性が働きやすいまち」を目指す宣言を行い、女性の活躍をオール酒田で目指していくことを示しました。2023年には市長に就任し、市内では女性の活躍を期待する機運がますます高まっています。「日本一女性が働きやすいまち」を目指す宣言をした背景の一つには、『女性が仕事を求め都会へと流出してしまう課題の解決策として、地方都市でも仕事や働き方の選択肢が広がれば、流出を抑制できるのでは』という想いがあったといいます。“酒田で働き、酒田で暮らす”を現実的に『女性は、ライフイベントにより仕事の種類が限られることが多々あり、その選択肢の少なさが女性の市外流出に拍車をかけている』と考えた矢口さんは、酒田に暮らしながら収入を得る方法を模索します。その結果、行き着いたのが「テレワーク」です。『ITスキルを身につけた女性なら、都会へ流出することなく酒田で暮らせる』と仮説を立て、サンロクIT女子育成プロジェクト(以下「プロジェクト」という。)を開始します。5年目の現在は、酒田に暮らしながら都会の仕事をオンラインで遂行する働き方を、サンロクIT女子(以下、「IT女子」という。)が実践しています。奇しくもコロナ禍でオンラインでの仕事が推奨されるようになり、ITを活用することで場所にとらわれずに仕事ができるということが立証され、プロジェクトの大きな推進力となりました。さらに矢口市長は、『IT女子のような働き方が定着することで、市外への流出を抑えるだけでなく、むしろ市内への流入を促す可能性がある』という仮説を立てます。『仕事の選択肢が増えることで、魅力的なまちとして酒田が注目され、この地で生きることを望む人が増える』と考えたのです。「酒田で働き、酒田で暮らす」ことが現実的な選択肢となるよう、更なる模索を続けています。「ここで暮らしていけます。生きていけます。やっていけます。酒田には必要なものが揃っています。IT女子もその一つです。」とプロジェクトに期待大の矢口市長みんなが輝くまちに『酒田に住まう全ての市民が、それぞれの場所で生きがいを見つけ、個性を活かして活躍できる街にしたい』と矢口市長はいいます。『人口が多い都会とは違い、酒田市の人口規模では一人ひとりの役割が大きく、活躍の場が多くあるのでは』と考えています。必要とされること、感謝されること、ありがとうという言葉を交わせること。人が暮らしていく上で、これら一つひとつが実はとても大きな意味を持っています。『自分の持っている優しさを出し合えるような、そんな社会になったらいいなとずっと思っています。』と述べる矢口市長の言葉は、酒田市が多様性を尊重し、個々の幸せな生き方を支援する姿勢を示していました。『人口10万人を切った今だからこそ実現可能なまちづくりを、酒田で叶えたい。』そう話す矢口市長の目には、優しさの中に強い光と意志が宿っています。そして、今日も奔走して市民の幸せを追求しています。サンロクセンター長が目指す「サンロクIT女子の未来」インタビュー:酒田市 副市長 安川智之さん圧倒的当事者意識を持ったサポート2018年4月に「酒田市産業振興まちづくりセンターサンロク」を立ち上げた安川さん(現副市長)。これまで市役所内の支援担当部署で、企業や経営者の方の相談に応じることは一定程度行っていましたが、より身近に、より親身にサポートをする必要性を感じ、サンロクの立ち上げに至りました。『経営者の立場に想いを馳せ、まず目の前の相手の状況を知ること。そこから全てが始まる』と考え、「圧倒的当事者意識を持って相手の立場に立ち、一緒に事業を進める」ことをモットーに、センター長としてサンロクを運営していきます。企業へのサポートは、当初「個社支援」からスタートしました。運営を進めていく中で、企業は共通の課題を抱えていることに気づきます。そこで、悩みを抱える経営者同士が課題を共有し合い、解決方法を模索していく「コミュニティ支援」に切り替えていきます。課題は企業の大小に関わらず必ず存在します。『経営者は孤独な思いを抱える方が多いです。孤立を防ぐために、地域でのリアルなコミュニティ形成を大切にしています。一人では解決できないことも、誰かと一緒になら解決できる可能性がある。コミュニティ支援によって事業者の輪が広がり、さらに酒田が発展していく』と安川さんは考えています。IT女子が稼ぐ企業への支援に取り組む一方で、安川さんは、センター長としてサンロクIT女子育成プロジェクト(以下「プロジェクト」という。)に取り組んでいきます。『現在目指していることの一つ目は、ビジネスモデルの確立です。プロジェクトの一番の目的は、IT女子が仕事として「稼ぐ」ことにあります。それぞれのIT女子には「稼ぎたい金額」があり、それを達成するためには仕事の絶対量が必要であることから、仕事量が多い首都圏からの受注獲得を目指しています。このプロジェクトの取り組みに共感していただき、ビジネスパートナーとしての関係性を築いていける企業の発掘が鍵である』と考え、日々首都圏へのアプローチを行っています。二つ目は、『IT女子として蓄積した力を、市内事業者に活かすことです。サンロクで経営者のサポートをしていく中で必要だと感じたのは、その企業の課題を見つける力、いわゆる「課題設定力」でした。その部分をIT女子が担えたら』といいます。市内事業者の歩調に合わせて、小さなことから一緒に解決していく、市内に住むIT女子だからこそ可能な「寄り添い型のコンサルタント」のような役割を想定しています。夢は大きく全国進出! 『また、このプロジェクトは移住を考える女性にも響く』と考えています。コロナ禍によりテレワークが浸透した今、IT女子のような働き方ができる酒田市は、住む場所を決める上での選択肢となり得るからです。仕事や働き方の選択肢を広げることで、酒田市が選ばれるまちとなれば、人口の流入が生まれ、やがて市内事業者への人材供給や生産性向上へと結びつくという、地域創生のビジネスモデルの一つになるかもしれません。『このプロジェクトを軌道に乗せ、全国からの業務受注と、IT女子の上場が夢です。』と話す安川さん。今後もIT女子から目が離せません。「夢はIT女子の上場です!」と熱く語る安川副市長おわりに地方都市特有の「仕事の選択肢が少ない」ことは、人口減少の問題とも結びつきが深く、多くの自治体で大きな課題となっています。かつての港町酒田のにぎわいを取り戻し、いきいきと働くことができるまちを目指すために、市ではサンロクIT女子育成プロジェクトを始め、さまざまな施策に取り組んでいます。「働きたい」が叶うまち、豊かに安心して暮らせるまちに向けて、行政運営を進めていきます。酒田市産業振興まちづくりセンターサンロクさまざまな課題をかかえる市内事業者に、ワンストップで支援をすることを目的に設立した任意団体で、「つなぐ」をテーマに360度全方位で支援を行うことが特徴です。併設のコワーキングスペースでは多様な属性の利用者が集い、いつも新しい“何か”が生まれています。山形県酒田市中町二丁目5番10号 酒田産業会館1階営業時間:9:00〜21:00休業日:祝日・振替休日・年末年始URL:https://sanroku.jp/
2024年3月28日
【Adecco Ac...

【Adecco Academy導入事例】高知県庁が進める、Eラーニングを活用したデジタルリテラシーの底上げ

急速なデジタル化が進む中、高知県庁でもデジタル技術を活用したDXが進んでいます。2020年には行政のデジタル化を図るため「行政サービスデジタル化推進計画」がスタート。2021年からはコロナ禍を契機として、行政にとどまらず生活・産業にも対象を広げたデジタル化を推進するべく、「デジタル化推進計画」としてバージョンアップされ、生活・産業・行政の3つの切り口でデジタル化が進められています。出典:高知県HPデジタル化を推進する上で課題となったのが、職員のデジタルリテラシーのばらつきでした。デジタルに対して苦手意識を持つ職員もいたといい、職員のデジタルリテラシー向上を目的にAdecco AcademyのEラーニングを導入。デジタル関連部署4名のトライアルを経て、300人規模での受講に至ります。高知県 総務部デジタル政策課の川村 洋平様、柳瀬 伸也様に、Adecco AcademyのEラーニング導入前の課題や、導入後の成果をお聞きしました。高知県 総務部デジタル政策課川村 洋平様(写真左)柳瀬 伸也様(写真右)導入前の課題・職員間のデジタルリテラシーのばらつき導入されたサービス・DX研修プログラム内、DigitalリテラシーのEラーニング動画パッケージAdeccoを選んだ決め手・カリキュラムの網羅性・デジタル活用事例の豊富さ導入後の成果・効果・職員の意識や行動の変化・デジタルリテラシーのばらつきの解消デジタル化を進める上で、職員のデジタルリテラシーのばらつきが課題にまず、高知県様の直面されている課題についてお聞かせください。川村さま高知県は他県と比較して人口減少や少子高齢化が進んでいる県ですし、将来的には限られた数の職員で複雑化・多様化する行政課題に対して向き合うことになります。行政事務を効率化することで生まれた人的資源を、可能な限り有効に活用することが重要です。加えて、2020年から始まったコロナ禍を契機にWeb会議やテレワークが普及し、民間企業においても非接触型のビジネスモデルへの転換が急速に進みました。行政事務の効率化と多様な働き方を実現するため、行政としてもデジタル化を進める必要があります。こういった背景から、2021年にデジタル化推進計画を策定し、「デジタルの恩恵により、暮らしや働き方が一変する社会」の実現に向け、生活・産業・行政の3つの切り口でデジタル化を進めています。本県は山間部が多く都市部から離れているなど、地理的なハンディキャップを抱えています。生活面ではオンライン医療や遠隔教育などを導入することで、都市部と遜色ない生活を実現させる取り組みを進めています。また、産業面では、本県が強みを持つ農林水産業を中心に、デジタル化とデータ活用による効率化・最適化を進め、生産体制や経営力の強化に取り組んでいます。その上で、Adecco AcademyのEラーニング導入を検討されたきっかけはあったのでしょうか。川村さまデジタル化推進計画を効果的に進めるためには、デジタル技術を活用した新たな発想や企画立案ができる人材と、デジタル技術を活用した県民サービスの向上や業務効率化に関する知識やノウハウを持った人材を育成していくことが必要です。しかしながら、デジタルに対して苦手意識を持つ職員も多く、デジタルリテラシーのばらつきが課題でした。そこで、まずは職員間のリテラシーのばらつきをできるだけ少なくするための研修を検討していたタイミングで、Adecco様の本県での CSR 活動として、県職員のデジタル人材育成に関するご提案をいただいたのがきっかけです。最先端テクノロジーからPC操作、セキュリティまでの網羅性や活用事例の豊富さが決め手にAdecco AcademyのEラーニング導入の決め手は何でしたか?川村さまAdecco AcademyにはAIやビッグデータ、IoTといった新技術を学べる講座から、PC操作やセキュリティの基礎といったデジタル初学者向けの講座が一通り揃っており、網羅性という意味で、我々が求めていたゴールであるリテラシーの底上げにマッチしていました。県としてこういった形で300名規模の研修を実施したのは今回が初めての試みだったため、カリキュラムの「とっつきやすさ」は重要な要素でした。Adecco AcademyのEラーニングでは、デジタルを活用した行政や民間の事例がわかりやすく紹介されていたため、職員としても普段の業務と紐付いたイメージがしやすく、腹落ちできたのではと思います。実施後の変化を教えてください。Eラーニング実施後の受講者アンケートでは、80%を超える職員が「意識が変わった」「業務効率化につながるイメージを持てた」、50%を超える職員が「行動が変わった」と答えており、リテラシー底上げとしての手応えを感じました。リテラシーの底上げから、実際に成果を出すフェーズへ今後、人材育成で取り組まれることを教えてください。川村さまデジタルリテラシーの底上げについてはAdecco Academyの受講で一定の効果を得ることができました。次は、目に見える成果を出すフェーズに移りたいと考えています。具体的には、デジタル技術を活用した業務の効率化や、ペーパーレス、テレワークなどの新しい働き方について、所属毎に取組状況に差が生じているため、各所属での旗振り役としてDX推進員を設置します。このDX推進員が実施するデジタル技術を活用したBPRの取組や働き方改革について、効率的に進めるための知識やノウハウを習得するための研修が必要だと考えています。また、冒頭でお話しましたが、デジタル技術を組み合わせて新たな発想や企画立案ができる人材の育成も必要です。他県のデジタル化の先進事例を学ぶ機会なども提供することで、より具体的なイメージを膨らませ、県としてさまざまな施策にデジタル技術を取り入れていきたいですね。
2023年5月31日
【参加者インタビュー...

【参加者インタビュー】滋賀県長浜市RPA人財育成(UiPath研修)Vol.1

はじめに近年、日本社会全体において少子高齢化・人口減少が急速に進む中、地方においては生産年齢人口の減少、労働力不足という問題がより顕著に表れ始めています。その影響は、まちの人々の生活を支える行政サービスの現場にも及んでおり、「令和4年地方公共団体定員管理調査結果」によると、ここ28年間で約48万人もの市行政職員が減少していることがわかります。一方で、地域の課題は従来と比べて多様化・複雑化を極めており、先行きの見えない状況下において、行政へのニーズはますます高まっています。このような行政職員の減少と行政へのニーズの高まりとのギャップに対応しようと、多くの地方自治体がデジタル化の取組を進める中、滋賀県長浜市においても取組を推進されているところです。長浜市におけるRPA*人財育成(UiPath研修)について長浜市では、「新たな感性を生かしみんなで未来を創るまち長浜」をめざすまちの姿として掲げ、「Challenge & Creation」をキャッチフレーズとして持続可能なまちづくりを推進されています。同市は全国的に早くより、コロナ渦を契機としてデジタルを活用した市民生活の向上や市役所業務の変革を目的に「長浜市DX推進戦略」を策定され、様々な取組を推進されているところですが、その中で市役所内におけるデジタル化の推進やデジタルリテラシーの向上等、人材育成の点で課題が浮上してきました。そこで、これまで多くの企業に対して、従業員へのデジタルに関する研修等を実施してきたアデコが、長浜市と今年1月に締結した「DX推進に向けた連携及び共創に関する協定」の一環として実施したものが、今回のRPA*1人財育成(UiPath*2研修)です。長浜市とアデコは、協定に基づいた共創事業を通して、市職員のデジタルリテラシーや課題解決力の向上、業務効率化への取組拡大、また効率化によって生まれた時間を生かすワークライフマネジメントの強化、そしてDX推進への前向きな政策協議が進められることなどを目指しています。3日間にわたって実施されたこの研修は、市役所内から有志を募り、多様な部署から選出された代表5名の方にご参加頂くこととなりました。本記事では、本研修にご参加頂いた皆様に伺った感想を取りまとめ、ご紹介していきたいと思います。*1 RPAとは…「Robotic Process Automation/ロボティック・プロセス・オートメーション」の略語で、ホワイトカラーのデスクワーク(主に定型作業)を、ルールエンジンやAI(人工知能)などの技術を備えたソフトウェアのロボットが代行・自動化する概念、と定義されています。*2 UiPathとは…UiPathとは米国のUiPath社が提供するRPAツールである。2021年のITRの調査レポートによるとUiPathはRPAツールとして4年連続国内シェアNo.1を記録しています。インタビュー実施概要ご参加いただいた5名の皆様へのインタビューについては、下記の段取りで実施いたしました。日時:2023年2月15日(水) 13:30~16:00(1人あたり30分)形式:オンライン(zoom)回答者:RPA人財育成(UiPath研修)へご参加頂いた5名の皆様質問者:麻生(アデコ株式会社)、能澤(アデコ株式会社)研修参加前:「研修に参加しようと思ったきっかけは?」インタビューの序盤では、まずご参加いただいた皆様に対して「研修に参加したきっかけ」を伺いました。頂いたご回答をみると、すでに現在の業務において明確な課題感を感じている方もいらっしゃれば、今後の庁内でのデジタル化を検討する上で知識を習得しようと参加された方もいらっしゃることが分かります。Q1. 今回のRPA人財育成(UiPath研修)に参加されたきっかけを教えてください。回答「現在行っている業務の中で事務処理業務が多く、これまでエクセルを中心に活用してきましたが、RPAツールだとどのようなことができるのか知りたく参加しました。」「庁内のデジタル化推進を担う部署におり、他のRPAツールであるWinActorの経験はありましたが、ノーコードツールのWinActorに比べてUiPathはプログラミング寄りのコーディングの考え方が必要になるため、基礎から学びたいと思い参加しました。」「特に今すぐ解決したい課題があったわけではないのですが、現在の業務で手書きの用紙を手入力でデータに落とし込む作業の多さを感じていました。そのため、今後課内の業務効率化を考える際に活用できることがないか確かめたく、研修に参加しました。」「税務課では繁忙期の5,6月に入ると業務量が多く、以前から業務の効率化が課題として挙がっていました。課で作ったデジタル化推進計画の中にRPAツールの活用を掲げていたこともあり、課内で詳しい人材がいれば役に立つのではと感じたため参加しました。」研修参加中:「研修において良かったと感じた点、または改善すべき点は?」次に、研修中の内容や進め方について皆様に正直なご感想を伺いました。頂いたご回答の中で講師の丁寧なレクチャーや、オンラインかつ少人数の研修体制などについて皆さまに高評価のご意見をいただくことができました。Q2. 研修の中身で「良かった、役に立った」と思われた点、また「もっとこうあったら良いな」と思われた改善点があれば教えてください。回答「完全オンラインの研修形式であっても目立ったやりづらさは感じず、研修内容もわかりやすかったです。」「もともとエクセルのマクロなどは業務で使用経験がありましたが、RPAツールはまた別もので内容についていけるか不安がありました。しかし実際に研修を受けてみると分かりやすい説明で、講義に置いて行かれることもなく安心して受けられたと思います。少人数の研修スタイルの最大のメリットを感じられました。」「分かりやすい説明で丁寧に教えて頂けたことでUiPathの機能に関する理解度が上がりました。実際に触る際の抵抗感を拭えたこともメリットとして大きいです。」また、改善点としては下記のようなご意見もいただきました。「研修は3日間という短い期間で集中的に多くの情報をまとめてインプットしたので、スキル的にも理解が難しいところもありました。もう少し時間をかけてゆっくり受講できると、細部まで咀嚼できる分より理解が深まるのではと感じました。」「やはりオンラインでの通信や資料の共有形式は実施にあたっての環境整備に配慮が必要でした。行政機関のネットワークだとインターネットの接続に制限があるので、今後どの分野でも工夫をしていく必要があると感じています。」研修参加後:「研修参加前と比較した時に、意識の変化はあったか?」次に、参加頂いた5名の皆様には、研修を終えて現在までの4か月間を過ごした中での意識の変化の有無について伺いました。その中で、多くの方から「まだ実務での実用化には至っていないものの、間接的に知識が生かせている」という趣旨の嬉しいご意見を頂くことができ、中には一部研修で学んだことを現在の業務に実用的に活用されているお話を伺うこともできました。Q3. 研修を受けた後で、何かご自身の意識として変わったと感じる点などはありますか?また研修で学んだことですでに業務で生かされていることなどがあれば教えてください。回答「研修を受ける前までは『RPAって何?』という状態でしたが、研修を通して考え方を知ることができ、業務を効率化する有用な方法の1つとしてRPAという選択肢を考えられるようになりました。」「RPAツールによってこれができる/これができないといった判断が大体できるようになったことが一番大きいと思います。課内で、来年度からの使用にむけて話合いをしている中で、これにより効率化に向けたアクションの順序をクリアにできるようになった気がします。」「デジタル化推進の部署にいるため庁内の別の部署から業務依頼を受けることも多くありますが、研修で学んだブラウザからデータを取ってくる操作がタイムリーに生かせた場面がありました。」「研修後に一部のルーティーン業務に関してUiPathを使用して試しに取り組ませてもらいましたが、これまで時間がかかっていた作業がボタンひとつで自動化できました。」今後の展望:「UiPathをはじめデジタル化を推進する上での課題感は?」最後に、参加頂いた5名の皆様へ今後RPAツール(UiPath)の実用的な使用を検討する上で課題に感じていることをお聞きしました。その中で経済的コストや習得までの時間的コストといったご意見から、市民の方々と多く接する行政機関ならではのご意見まで幅広い課題感を伺うことができました。Q4. 本研修の内容を実際の業務に生かしたり、庁内で活用の幅を広げたりする際には新たな別の課題が生まれるのではないかと考えています。現時点ですでに感じられている課題があれば教えてください。回答「何事もそうですが新しいやり方を導入するときには、知識の習得から始まり新しいフローを組み、それを周囲へ広めていくという『準備』や『適応』、『教育』に時間がかかることがまずひとつの障壁だと感じています。」「庁内での活用範囲を拡大するためには、『RPAで何ができるか』ということを周りに共有するだけでなく、1人1人が実際にツールを使い、業務を効率化するイメージが湧く状態を作ることが必要だと感じています。ライセンスの費用も安くない金額ですが、より多くの職員に対してアカウントが解放されて身近になり、手軽に触れるようになるとまた進むスピードも違うのではないかと思います。」「実際に実務でUiPathを使用してみましたが、研修と違ってデータの置かれている階層なども違うため、習った通りに行かない点もありました。ただ、UiPathのコミュニティフォーラムを活用して外部のノウハウを頼る方法も知れたのはひとつ前進したように感じています。また、同じ課のメンバーと研修を一緒に受けていたこともあり、同じ目線で話ができる環境が同じ組織内にあることは、ぶつかった課題を一人で抱え込まずに身近な人に相談できるという点でありがたいと感じています。」「近年のデジタル化の動きから、申請書類の提出などは紙だけでなくインターネットでもできるよう進めていますが、高齢者の方々が多く利用するサービスはインターネットでの手法を整備してもなかなか利用されず、今後も紙と並行してデジタルを取り入れていく形になるかと思っています。根気強く、できるところから適用していく考え方も必要だと感じています。」おわりに本インタビューを通じて、今回のRPA研修へご参加頂いた長浜市職員の5名の皆様いずれからも、業務効率化への高い意識をお持ちである事に加え、課題感を感じながらも前向きに取り組まれる姿勢を伺うことができました。今後長浜市でどのようにRPAツールの活用拡大を始め、デジタル化が推進されていくのか非常に楽しみです。是非今後も定期的に取組状況を追っていければと思います。インタビューにご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました!
2023年5月9日
高知県内の中小企業に...

高知県内の中小企業に向けてデジタル化状況調査を実施しました!

はじめに近年、日本においては少子高齢化を起因とした人口減少などを背景に人材不足の問題が声高に叫ばれており、事業者にとって「生産性の向上」は、事業存続・発展のためにも避けられない課題となっています。また、1990年代後半にインターネットが一般的に普及を開始してからデジタル化は、さらに拡大の一歩をたどり、2020年春に新型コロナウイルスの感染拡大が社会問題となってからは全国的な企業の多くがテレワークを急速に推進し始めたことに加え、令和5年度からは仕入れ先企業が仕入額控除を受けるための適格請求書をデータで提供する必要のある「インボイス制度」が導入されることも決まっており、国の制度面からもデジタルを前提とした環境に変化しつつあることは間違いありません。この社会情勢を踏まえ、高知県は県内の中小企業に対して「デジタル化が進む社会環境への適応・対応状況」、そして「顕在化してきているデジタル化に対する県内事業者の課題やその対応策」を明らかにするべく、今回の調査を実施しました。高知県におけるデジタル化の取り組みと本調査について高知県は令和元年度よりデジタル化への取り組みをすでにスタートしており、「高知県デジタル化推進計画」に基づき、デジタル技術の活用による県民サービスの向上や地場産業の高度化、業務の効率化等の実現に向けた取り組みを推進してきていました。一方で「県職員のデジタルリテラシーの向上の必要性」や「県内中小企業のデジタル化推進の遅れ」などデジタル化推進計画を進める上でのいくつかの課題を抱えていました。そこで「『人財躍動化』を通じて、社会を変える。」をビジョンとして掲げ、これまで多くの企業に対して従業員のデジタル研修等を実施してきたAdeccoが、高知県と「高知県のデジタルを通じた人材・組織の躍動化に向けた連携と協力に関する協定」に関する協定を令和4年10月7日に締結し、高知県とともにこれらの課題解決に取り組んでいくこととなりました。本調査はこの共創に基づいた取り組みの1つであり、高知県とアデコ株式会社は高知県内の中小企業のデジタル化への対応状況をはじめ、デジタル化への課題や対応策を明らかにすることで「総合的なデジタル化の基礎」を強固にし、県内サービスのさらなる向上や地場産業の高度化、業務の効率化等の実現を目指します。地域課題ソリューションベース「高知県と『デジタルを通じた人材・組織の躍動化に向けた連携と協力』に関する協定を締結」PR TIMES「アデコ、高知県と『デジタルを通じた人材・組織の躍動化に向けた連携と協力』に関する協定を締結」調査実施概要調査目的高知県内の中小企業等の事業者のデジタル化の状況について、実態を明らかにし、今後の高知県内の中小企業等のデジタル化促進に関する施策に活用すること。対象母集団高知県内に単独事業所又は本所を置く事業所(22,533事業者)調査数3,000事業者調査機関回答期間令和4年7月31日~8月31日設問数41問回答件数・回収率767件・25.6%高知県とアデコ株式会社の連携R4.10.7に両者間にて協定締結。調査フォームや報告書の作成などに協力。調査結果について本調査の調査結果については高知県ホームページ上の産業デジタル化推進課のページ上にて公開をしています。高知県中小企業等デジタル化状況調査結果おわりに最近ではコロナ渦によるリモートワークの普及や働き方改革などの社会情勢もデジタル化の追い風となっていますが、社会全体へのデジタル化浸透の課題は一筋縄ではいきません。なぜなら、業種・業界・業態が異なれば業務効率化のポイントは異なる他、地域によって住む方の世代、働き方、価値観も全く異なることから「正解」とされるアプローチ方法も存在していないからです。そのため、デジタル化推進の取り組みには試行錯誤しながら推進する長期的な計画策定や、組織の中で目線合わせをしつつ一歩ずつ進んでいく心構えが必要です。アデコ株式会社は引き続きデジタル化推進に取り組む高知県を「人材・組織全体の躍動化」の観点でサポートする体制を提供していきます。
2023年5月9日
長浜市と「DX推進に...

長浜市と「DX推進に向けた連携及び共創に関する協定」を締結

目次ノスタルジック&モダンな町並み長浜市の目指すまちの姿Adeccoと長浜市によるDX推進に向けた連携及び共創ノスタルジック&モダンな町並み滋賀県の湖北地域に位置する長浜市。中心市街は羽柴秀吉によって長浜城の城下町として整備され、大通寺の門前町、北国街道の宿場として栄え、湖北地方の中心地とされています。その町並みを活かした黒壁スクエアは、ガラス工芸を中心としたショップや工房のほか、郷土料理が楽しめるお店などが軒を連ねる人気のスポットとなっています。また現存する日本最古の駅舎や長浜盆梅展が開催される慶雲館など明治の建築物も残っているため、ノスタルジックでモダンな町並みにも出会えます。市街地の周辺には、浅井長政の居城であった小谷城跡、石田三成出生の地、姉川の合戦跡など戦国時代を駆け抜けた武将たちの足跡が残り、戦国ロマンあふれるみどころがいっぱいです。長浜市の目指すまちの姿長浜市では、「新たな感性を生かし、みんなで未来を創るまち 長浜」を目指すまちの姿として掲げ、Challenge & Creation をキャッチフレーズとして持続可能なまちづくりを推進しています。コロナ禍を契機とし、デジタルを活用して市民の暮らしや市役所業務の変革をさらに進めるため「DX推進工程表」を取りまとめ、様々な取組を推進していますが、「市役所職員のデジタルリテラシーが思うように高まらない」「デジタルを活用した課題解決を担う人材育成が追い付いていない」等、変革を推進する上での課題がいくつか顕在化してきました。そこで、「『人材躍動化』を通じて、社会を変える。」をビジョンとして掲げ、これまで多くの企業に対して従業員のデジタル化研修等を実施してきたAdeccoが、長浜市と「DX推進に向けた連携及び共創」を通じて、長浜市とともにこれらの課題解決に取り組んでいくことになりました。Adeccoと長浜市によるDX推進に向けた連携及び共創Adeccoと長浜市は、この連携・共創を通して、長浜市における持続可能なまちづくりや人づくりの推進を図ります。「デジタルトランスフォーメーション推進」長浜市や、長浜市DXフェロー(※1)の示す計画や方向性等を踏まえながら、Adeccoが有する研修教材を活用して長浜市職員のデジタルリテラシーの向上やデジタルトランスフォーメーション推進をしていきます。※1:長浜市が委嘱しているデジタル専門人材「人材育成」長浜市職員向けに、Adeccoが独自開発した、3Skills研修(※2)を実施していきます。※2:Adeccoでは、将来を予測することが困難な「VUCAの時代」と呼ばれる現代において、「内発的動機」「課題解決力2.0(カスタマーセントリシティ(顧客中心思考)、ロジカルシンキング(論理的思考)、デザインシンキング(デザイン思考)を課題解決のために駆使する能力)」「デジタルリテラシー」の3つのスキル(3Skills)を習得することは、業界や職種に関わらずすべての働く人々に必要なスキルであると定義しています。「情報発信」本協定に関わる情報を継続的に発信していきます。まずは、総合的なデジタル化の基礎を作り上げることが肝要と考え、①の中の「長浜市職員のデジタルリテラシーの向上」、②の「人材育成(特に「内発的動機」)」を特に注力していきます。Adeccoは、上記の連携および共創を通じて、デジタルを活用した市民の暮らしや市役所業務の変革をさらに進め、長浜市が目指している持続可能な街づくりの推進に貢献し、より良い未来をつくっていきたいと考えています。
2023年2月2日
長久手市と「デジタル...

長久手市と「デジタルトランスフォーメーションの推進およびデジタル人材の育成」に関する協定を締結

目次若年層・子育て世代に人気のまち長久手市デジタルトランスフォーメーション推進計画Adeccoと長久手市によるデジタルトランスフォーメーションの推進およびデジタル人材の育成に関する連携若年層・子育て世代に人気のまち2005年の愛知万博「愛・地球博」の開催会場として知られている愛知県長久手市。戦国時代の「小牧・長久手の戦い」の地としても知られ、充実した商業施設と自然豊かな住宅地が共存したまちづくりが近年若年層・子育て世代からの人気を集めている地域です。住民の平均年齢は40.2歳と、全国1,718市町村で一番低い「最も住民が若い市」としても知られている同市ですが、人口も年々増加傾向にあり、それに伴い行政サービスの需要が高まり、「より住民目線で行き届いた行政サービスの企画・実施」に市民の注目が集まっています。長久手市デジタルトランスフォーメーション推進計画一方で、長久手市では今後も行政サービスとして医療、子育て支援や介護など、社会保障関連経費の増加が見込まれるだけでなく、公共施設をはじめとする建物の更新・改修などに多くの費用が必要となることから、同市における財政環境はこれまで以上に厳しくなることが予想されています。さらに、感染症の拡大防止策を図る非接触環境の整備と新たな生活様式への転換、ペーパーレス化やテレワークの実施などを始めとした働き方改革などを行政が先導し、推進していくことが直近の課題となっています。こうした課題を解決するため、同市では、2026年度末を目標年次とする「長久手市デジタルトランスフォーメーション推進計画(以下「DX推進計画」)」を策定し、デジタル活用による業務改善・業務変革及び市民サービスの効率化・円滑化を目指すこととなりました。吉田一平 長久手市長/中央そこで、「『人材躍動化』を通じて、社会を変える。」をビジョンとして掲げ、これまで多くの企業に対して従業員のデジタル化研修等を実施してきたAdeccoが、2022年10月、長久手市と「デジタルトランスフォーメーションの推進およびデジタル人材の育成に関する連携」に関する協定を締結し、長久手市の掲げるDX推進計画の後押しをしながら長久手市とともにこれらの課題解決に取り組んでいくことになりました。Adeccoと長久手市によるデジタルトランスフォーメーションの推進およびデジタル人材の育成に関する連携この連携を通して、長久手市における持続可能なまちづくりや人づくりの推進を図ります。「デジタルトランスフォーメーション推進」長久手市が掲げるDX推進計画が示す計画や方向性等を踏まえながら、Adeccoが有する研修教材を活用して長久手市職員のデジタルリテラシーの向上やデジタルトランスフォーメーション推進をしていきます。「人材育成」長久手市職員向けに、Adeccoが独自開発した、3Skills研修(※1)を実施していきます。※1:Adeccoでは、将来を予測することが困難な「VUCAの時代」と呼ばれる現代において、「内発的動機」「課題解決力2.0(カスタマーセントリシティ(顧客中心思考)、ロジカルシンキング(論理的思考)、デザインシンキング(デザイン思考)を課題解決のために駆使する能力)」「デジタルリテラシー」の3つのスキル(3Skills)を習得することは、業界や職種に関わらずすべての働く人々に必要なスキルであると定義しています。「情報発信」本協定に関わる情報を継続的に発信していきます。まずは、総合的なデジタル化の基礎を作り上げることが肝要と考え、①の中の「長久手市職員のデジタルリテラシーの向上」、②の「人材育成(特に「内発的動機」)」を特に注力していきます。Adeccoは、上記の連携および共創を通じて、デジタルを活用した市民の暮らしや市役所業務の変革をさらに進め、長久手市が目指している持続可能な街づくりの推進に貢献し、より良い未来をつくっていきたいと考えています。
2023年1月5日
高知県と「デジタルを...

高知県と「デジタルを通じた人材・組織の躍動化に向けた連携と協力」に関する協定を締結

目次豊かな自然環境高知県デジタル化推進計画Adeccoと高知県による高知県のデジタル化推進に関する連携協定豊かな自然環境四国の南部に位置し、その大半が太平洋に面している高知県。面積は7,104kmで四国の4県の中で一番大きく、人口は68.8万人で四国の4県の中で一番少ない県であり、人口密度が全都道府県の中で44位という特徴があります。また、森林率が84%となっており、森林の割合が日本一高いという特徴もあります。県の大半が農村地帯で、多くの山々の他、山から海へ流れる河川も数多く存在し、自然豊かな環境となっています。一方、産業構造では、全国と比較して農林水産業や保健衛生・社会事業、宿泊・飲食サービス業の比率が高く、製造業の比率が低い特徴が見られます。年間日照時間や年間降水量は全国トップであるほか、年平均気温も全国上位の水準にあるなど、南国特有の温暖な気候に恵まれており、こうした豊かな自然環境が農林水産業の比率の高さに繋がっているほか、四万十川流域や室戸ジオパークをはじめとした観光資源にもなっています。(※1)※1:出展:日本銀行高知支店「統計でみる高知県のすがた(2022年11月)」高知県デジタル化推進計画同県は、令和元年度よりデジタル化の取り組みをスタートしており、「高知県デジタル化推進計画」に基づき、デジタル技術の活用による県民サービスの向上や地場産業の高度化、業務の効率化等の実現に向けた取り組みを推進してきていましたが、「県職員のデジタルリテラシーの向上の必要性」や「県内中小企業のデジタル化推進の遅れ」などデジタル化推進計画を進める上でのいくつかの課題を抱えていました。そこで、「『人材躍動化』を通じて、社会を変える。」をビジョンとして掲げ、これまで多くの企業に対して従業員のデジタル化研修等を実施してきたAdeccoが、高知県と「デジタル化を通じた人材・組織の躍動化に向けた連携と協力」に関する協定を締結し、高知県とともにこれらの課題解決に取り組んでいくことになりました。Adeccoと高知県による高知県のデジタル化推進に関する連携協定Adeccoと高知県が結んだ連携協定の主な内容は、下記の3つとなります。「県内中小企業のデジタル化の状況調査の実施」県内の中小企業等約3,000者(中小企業や個人事業主)に対して、デジタル化の状況調査を実施し、県内中小企業のデジタル化推進が進まない要因となっている課題抽出等をおこなっていきます。「県職員のデジタル人材の育成」高知県職員向けにデジタル化に関する研修を実施。Adeccoが独自開発した、3Skills研修(※2)を、高知県職員約200名を対象に実施していきます。※2:Adeccoでは、将来を予測することが困難な「VUCAの時代」と呼ばれる現代において、「内発的動機」「課題解決力2.0(カスタマーセントリシティ(顧客中心思考)、ロジカルシンキング(論理的思考)、デザインシンキング(デザイン思考)を課題解決のために駆使する能力)」「デジタルリテラシー」の3つのスキル(3Skills)を習得することは、業界や職種に関わらずすべての働く人々に必要なスキルであると定義しています。「その他、デジタル化に関わる活動の連携」今後様々なシーンにおいてデジタル化に関わる活動の連携をしていきます。まずは、③の「デジタル化に関する活動の連携」の前に、総合的なデジタル化の基礎を作り上げることが肝要と考え、①の「県内中小企業のデジタル化の状況調査の実施」、②の「県職員のデジタル人材の育成」を特に注力していきます。Adeccoは、上記の連携を通じて「高知県デジタル化推進計画」の推進に貢献し、高知県が理想とする県内サービスの向上や地場産業の高度化、業務の効率化等の実現に向けて高知県とともに取り組み、より良い未来をつくっていきたいと考えています。
2023年1月5日