長浜市

【参加者インタビュー...

【参加者インタビュー】滋賀県長浜市RPA人財育成(UiPath研修)Vol.1

はじめに近年、日本社会全体において少子高齢化・人口減少が急速に進む中、地方においては生産年齢人口の減少、労働力不足という問題がより顕著に表れ始めています。その影響は、まちの人々の生活を支える行政サービスの現場にも及んでおり、「令和4年地方公共団体定員管理調査結果」によると、ここ28年間で約48万人もの市行政職員が減少していることがわかります。一方で、地域の課題は従来と比べて多様化・複雑化を極めており、先行きの見えない状況下において、行政へのニーズはますます高まっています。このような行政職員の減少と行政へのニーズの高まりとのギャップに対応しようと、多くの地方自治体がデジタル化の取組を進める中、滋賀県長浜市においても取組を推進されているところです。長浜市におけるRPA*人財育成(UiPath研修)について長浜市では、「新たな感性を生かしみんなで未来を創るまち長浜」をめざすまちの姿として掲げ、「Challenge & Creation」をキャッチフレーズとして持続可能なまちづくりを推進されています。同市は全国的に早くより、コロナ渦を契機としてデジタルを活用した市民生活の向上や市役所業務の変革を目的に「長浜市DX推進戦略」を策定され、様々な取組を推進されているところですが、その中で市役所内におけるデジタル化の推進やデジタルリテラシーの向上等、人材育成の点で課題が浮上してきました。そこで、これまで多くの企業に対して、従業員へのデジタルに関する研修等を実施してきたアデコが、長浜市と今年1月に締結した「DX推進に向けた連携及び共創に関する協定」の一環として実施したものが、今回のRPA*1人財育成(UiPath*2研修)です。長浜市とアデコは、協定に基づいた共創事業を通して、市職員のデジタルリテラシーや課題解決力の向上、業務効率化への取組拡大、また効率化によって生まれた時間を生かすワークライフマネジメントの強化、そしてDX推進への前向きな政策協議が進められることなどを目指しています。3日間にわたって実施されたこの研修は、市役所内から有志を募り、多様な部署から選出された代表5名の方にご参加頂くこととなりました。本記事では、本研修にご参加頂いた皆様に伺った感想を取りまとめ、ご紹介していきたいと思います。*1 RPAとは…「Robotic Process Automation/ロボティック・プロセス・オートメーション」の略語で、ホワイトカラーのデスクワーク(主に定型作業)を、ルールエンジンやAI(人工知能)などの技術を備えたソフトウェアのロボットが代行・自動化する概念、と定義されています。*2 UiPathとは…UiPathとは米国のUiPath社が提供するRPAツールである。2021年のITRの調査レポートによるとUiPathはRPAツールとして4年連続国内シェアNo.1を記録しています。インタビュー実施概要ご参加いただいた5名の皆様へのインタビューについては、下記の段取りで実施いたしました。日時:2023年2月15日(水) 13:30~16:00(1人あたり30分)形式:オンライン(zoom)回答者:RPA人財育成(UiPath研修)へご参加頂いた5名の皆様質問者:麻生(アデコ株式会社)、能澤(アデコ株式会社)研修参加前:「研修に参加しようと思ったきっかけは?」インタビューの序盤では、まずご参加いただいた皆様に対して「研修に参加したきっかけ」を伺いました。頂いたご回答をみると、すでに現在の業務において明確な課題感を感じている方もいらっしゃれば、今後の庁内でのデジタル化を検討する上で知識を習得しようと参加された方もいらっしゃることが分かります。Q1. 今回のRPA人財育成(UiPath研修)に参加されたきっかけを教えてください。回答「現在行っている業務の中で事務処理業務が多く、これまでエクセルを中心に活用してきましたが、RPAツールだとどのようなことができるのか知りたく参加しました。」「庁内のデジタル化推進を担う部署におり、他のRPAツールであるWinActorの経験はありましたが、ノーコードツールのWinActorに比べてUiPathはプログラミング寄りのコーディングの考え方が必要になるため、基礎から学びたいと思い参加しました。」「特に今すぐ解決したい課題があったわけではないのですが、現在の業務で手書きの用紙を手入力でデータに落とし込む作業の多さを感じていました。そのため、今後課内の業務効率化を考える際に活用できることがないか確かめたく、研修に参加しました。」「税務課では繁忙期の5,6月に入ると業務量が多く、以前から業務の効率化が課題として挙がっていました。課で作ったデジタル化推進計画の中にRPAツールの活用を掲げていたこともあり、課内で詳しい人材がいれば役に立つのではと感じたため参加しました。」研修参加中:「研修において良かったと感じた点、または改善すべき点は?」次に、研修中の内容や進め方について皆様に正直なご感想を伺いました。頂いたご回答の中で講師の丁寧なレクチャーや、オンラインかつ少人数の研修体制などについて皆さまに高評価のご意見をいただくことができました。Q2. 研修の中身で「良かった、役に立った」と思われた点、また「もっとこうあったら良いな」と思われた改善点があれば教えてください。回答「完全オンラインの研修形式であっても目立ったやりづらさは感じず、研修内容もわかりやすかったです。」「もともとエクセルのマクロなどは業務で使用経験がありましたが、RPAツールはまた別もので内容についていけるか不安がありました。しかし実際に研修を受けてみると分かりやすい説明で、講義に置いて行かれることもなく安心して受けられたと思います。少人数の研修スタイルの最大のメリットを感じられました。」「分かりやすい説明で丁寧に教えて頂けたことでUiPathの機能に関する理解度が上がりました。実際に触る際の抵抗感を拭えたこともメリットとして大きいです。」また、改善点としては下記のようなご意見もいただきました。「研修は3日間という短い期間で集中的に多くの情報をまとめてインプットしたので、スキル的にも理解が難しいところもありました。もう少し時間をかけてゆっくり受講できると、細部まで咀嚼できる分より理解が深まるのではと感じました。」「やはりオンラインでの通信や資料の共有形式は実施にあたっての環境整備に配慮が必要でした。行政機関のネットワークだとインターネットの接続に制限があるので、今後どの分野でも工夫をしていく必要があると感じています。」研修参加後:「研修参加前と比較した時に、意識の変化はあったか?」次に、参加頂いた5名の皆様には、研修を終えて現在までの4か月間を過ごした中での意識の変化の有無について伺いました。その中で、多くの方から「まだ実務での実用化には至っていないものの、間接的に知識が生かせている」という趣旨の嬉しいご意見を頂くことができ、中には一部研修で学んだことを現在の業務に実用的に活用されているお話を伺うこともできました。Q3. 研修を受けた後で、何かご自身の意識として変わったと感じる点などはありますか?また研修で学んだことですでに業務で生かされていることなどがあれば教えてください。回答「研修を受ける前までは『RPAって何?』という状態でしたが、研修を通して考え方を知ることができ、業務を効率化する有用な方法の1つとしてRPAという選択肢を考えられるようになりました。」「RPAツールによってこれができる/これができないといった判断が大体できるようになったことが一番大きいと思います。課内で、来年度からの使用にむけて話合いをしている中で、これにより効率化に向けたアクションの順序をクリアにできるようになった気がします。」「デジタル化推進の部署にいるため庁内の別の部署から業務依頼を受けることも多くありますが、研修で学んだブラウザからデータを取ってくる操作がタイムリーに生かせた場面がありました。」「研修後に一部のルーティーン業務に関してUiPathを使用して試しに取り組ませてもらいましたが、これまで時間がかかっていた作業がボタンひとつで自動化できました。」今後の展望:「UiPathをはじめデジタル化を推進する上での課題感は?」最後に、参加頂いた5名の皆様へ今後RPAツール(UiPath)の実用的な使用を検討する上で課題に感じていることをお聞きしました。その中で経済的コストや習得までの時間的コストといったご意見から、市民の方々と多く接する行政機関ならではのご意見まで幅広い課題感を伺うことができました。Q4. 本研修の内容を実際の業務に生かしたり、庁内で活用の幅を広げたりする際には新たな別の課題が生まれるのではないかと考えています。現時点ですでに感じられている課題があれば教えてください。回答「何事もそうですが新しいやり方を導入するときには、知識の習得から始まり新しいフローを組み、それを周囲へ広めていくという『準備』や『適応』、『教育』に時間がかかることがまずひとつの障壁だと感じています。」「庁内での活用範囲を拡大するためには、『RPAで何ができるか』ということを周りに共有するだけでなく、1人1人が実際にツールを使い、業務を効率化するイメージが湧く状態を作ることが必要だと感じています。ライセンスの費用も安くない金額ですが、より多くの職員に対してアカウントが解放されて身近になり、手軽に触れるようになるとまた進むスピードも違うのではないかと思います。」「実際に実務でUiPathを使用してみましたが、研修と違ってデータの置かれている階層なども違うため、習った通りに行かない点もありました。ただ、UiPathのコミュニティフォーラムを活用して外部のノウハウを頼る方法も知れたのはひとつ前進したように感じています。また、同じ課のメンバーと研修を一緒に受けていたこともあり、同じ目線で話ができる環境が同じ組織内にあることは、ぶつかった課題を一人で抱え込まずに身近な人に相談できるという点でありがたいと感じています。」「近年のデジタル化の動きから、申請書類の提出などは紙だけでなくインターネットでもできるよう進めていますが、高齢者の方々が多く利用するサービスはインターネットでの手法を整備してもなかなか利用されず、今後も紙と並行してデジタルを取り入れていく形になるかと思っています。根気強く、できるところから適用していく考え方も必要だと感じています。」おわりに本インタビューを通じて、今回のRPA研修へご参加頂いた長浜市職員の5名の皆様いずれからも、業務効率化への高い意識をお持ちである事に加え、課題感を感じながらも前向きに取り組まれる姿勢を伺うことができました。今後長浜市でどのようにRPAツールの活用拡大を始め、デジタル化が推進されていくのか非常に楽しみです。是非今後も定期的に取組状況を追っていければと思います。インタビューにご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました!
2023年5月9日
長浜市と「DX推進に...

長浜市と「DX推進に向けた連携及び共創に関する協定」を締結

目次ノスタルジック&モダンな町並み長浜市の目指すまちの姿Adeccoと長浜市によるDX推進に向けた連携及び共創ノスタルジック&モダンな町並み滋賀県の湖北地域に位置する長浜市。中心市街は羽柴秀吉によって長浜城の城下町として整備され、大通寺の門前町、北国街道の宿場として栄え、湖北地方の中心地とされています。その町並みを活かした黒壁スクエアは、ガラス工芸を中心としたショップや工房のほか、郷土料理が楽しめるお店などが軒を連ねる人気のスポットとなっています。また現存する日本最古の駅舎や長浜盆梅展が開催される慶雲館など明治の建築物も残っているため、ノスタルジックでモダンな町並みにも出会えます。市街地の周辺には、浅井長政の居城であった小谷城跡、石田三成出生の地、姉川の合戦跡など戦国時代を駆け抜けた武将たちの足跡が残り、戦国ロマンあふれるみどころがいっぱいです。長浜市の目指すまちの姿長浜市では、「新たな感性を生かし、みんなで未来を創るまち 長浜」を目指すまちの姿として掲げ、Challenge & Creation をキャッチフレーズとして持続可能なまちづくりを推進しています。コロナ禍を契機とし、デジタルを活用して市民の暮らしや市役所業務の変革をさらに進めるため「DX推進工程表」を取りまとめ、様々な取組を推進していますが、「市役所職員のデジタルリテラシーが思うように高まらない」「デジタルを活用した課題解決を担う人材育成が追い付いていない」等、変革を推進する上での課題がいくつか顕在化してきました。そこで、「『人材躍動化』を通じて、社会を変える。」をビジョンとして掲げ、これまで多くの企業に対して従業員のデジタル化研修等を実施してきたAdeccoが、長浜市と「DX推進に向けた連携及び共創」を通じて、長浜市とともにこれらの課題解決に取り組んでいくことになりました。Adeccoと長浜市によるDX推進に向けた連携及び共創Adeccoと長浜市は、この連携・共創を通して、長浜市における持続可能なまちづくりや人づくりの推進を図ります。「デジタルトランスフォーメーション推進」長浜市や、長浜市DXフェロー(※1)の示す計画や方向性等を踏まえながら、Adeccoが有する研修教材を活用して長浜市職員のデジタルリテラシーの向上やデジタルトランスフォーメーション推進をしていきます。※1:長浜市が委嘱しているデジタル専門人材「人材育成」長浜市職員向けに、Adeccoが独自開発した、3Skills研修(※2)を実施していきます。※2:Adeccoでは、将来を予測することが困難な「VUCAの時代」と呼ばれる現代において、「内発的動機」「課題解決力2.0(カスタマーセントリシティ(顧客中心思考)、ロジカルシンキング(論理的思考)、デザインシンキング(デザイン思考)を課題解決のために駆使する能力)」「デジタルリテラシー」の3つのスキル(3Skills)を習得することは、業界や職種に関わらずすべての働く人々に必要なスキルであると定義しています。「情報発信」本協定に関わる情報を継続的に発信していきます。まずは、総合的なデジタル化の基礎を作り上げることが肝要と考え、①の中の「長浜市職員のデジタルリテラシーの向上」、②の「人材育成(特に「内発的動機」)」を特に注力していきます。Adeccoは、上記の連携および共創を通じて、デジタルを活用した市民の暮らしや市役所業務の変革をさらに進め、長浜市が目指している持続可能な街づくりの推進に貢献し、より良い未来をつくっていきたいと考えています。
2023年2月2日